忙しい人のためのサプライチェーン排出量算定 (1)

2022-09-09

はじめに

せっかくなので、お勉強したことをメモしています。それだけです。

サプライチェーン排出量ってそもそもなに?

サプライチェーン排出量とは、サプライチェーンを通じた「温室効果ガス」排出量のことです。

原材料調達・製造・物流・販売・廃棄など、一連の流れ全体から発生する「温室効果ガス」排出量を指します。
簡単には、事業活動に関係する「あらゆる」排出を合計したものです。

「温室効果ガス」とは、二酸化炭素(CO2)、メタン(CH4)、一酸化二窒素(N2O)、ハイドロフルオロカーボン類(HFCs)、パーフルオロカーボン類(PFCs)、六ふっ化硫黄(SF6)、三ふっ化窒素(NF3)のことで、これらの「温室効果ガス」の「CO2換算量」を合計したものがサプライチェーン排出量となります。

算定にあたり、現在、広くつかわれているのが「Scope3基準」です。

Scope3基準

Scope3基準は、GHGプロトコル が発行した組織のサプライチェーン排出量に関する 算定基準 です。
※ GHGプロトコル は、WRI (世界資源研究所)とWBCSD(持続可能な開発のための世界経済人会議)が共催する組織。

この算定基準では、温室効果ガス排出量を分類するための「Scope」という考え方があります。

「Scope」を使った考え方でサプライチェーン排出量を表すと、次の式となります。

サプライチェーン排出量 = Scope1排出量Scope2排出量Scope3排出量

Scope1,2,3 の違い

「Scope」には Scope1~3 があり、ざっくり次のように区別されます。

Scope1 : 自社の 直接排出
Scope2 : 自社の 間接排出 のうち、他社供給の電気・熱・蒸気の使用に伴う排出
Scope3 : Scope1、Scope2以外の間接排出

Scope3 の「Scope1、Scope2以外の間接排出」には、おおきく 2つ あります。

Scope2 以外の「自社の間接排出」
事業者の活動に関連する「他社の排出」

「Scope3」はさらに 15 のカテゴリーに分類されます。

Scope3 のカテゴリーについて

Scope3 は、15 のカテゴリーで分類されます。
また、15 のカテゴリーに分類されない「その他」の算定項目を作ることができます。

1 購入した製品・サービス
原材料の調達、パッケージングの外部委託、消耗品の調達

2 資本財
生産設備の増設(複数年にわたり建設・製造されている場合には、建設・製造が終了した最終年に計上)

3 Scope1,2に含まれない 燃料及びエネルギー活動
調達している燃料の上流工程(採掘、精製等)
調達している電力の上流工程(発電に使用する燃料の採掘、精製等)

4 輸送、配送(上流)
調達物流、横持物流、出荷物流(自社が荷主)

5 事業から出る廃棄物
廃棄物(有価のものは除く)の自社以外での輸送、処理

6 出張
従業員の出張

7 雇用者の通勤
従業員の通勤

8 リース資産(上流)
自社が賃借しているリース資産の稼働 (算定・報告・公表制度では、Scope1,2 に計上するため、該当なしのケースが大半)

9 輸送、配送(下流)
出荷輸送(自社が荷主の輸送以降)、倉庫での保管、小売店での販売

10 販売した製品の加工
事業者による中間製品の加工

11 販売した製品の使用
使用者による製品の使用

12 販売した製品の廃棄
使用者による製品の廃棄時の輸送、処理

13 リース資産(下流)
自社が賃貸事業者として所有し、他者に賃貸しているリース資産の稼働

14 フランチャイズ
自社が主宰するフランチャイズの加盟者のScope1,2 に該当する活動

15 投資
株式投資、債券投資、プロジェクトファイナンスなどの運用

その他(任意)
従業員や消費者の日常生活

引用元:サプライチェーン排出量 概要資料 2ページ

カテゴリーごとの計算方法

次回は、Scope3 のカテゴリーごとに簡易計算方法を紹介していきます。

その他

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